IDC Japanは8月15日、日本国内における クライアントPC市場出荷実績値を発表した。これによると、2011年第2四半期(4月~6月)の国内クライアントPC出荷台数は、ビジネス市場が174万台で前年同期比2.4%増、家庭市場は203万台で前年同期比3.4%増、両市場合わせて376万台、前年同期比2.9%増となった。
同期の国内クライアントPC出荷台数は、震災の影響によりマイナス成長になった前期から一転し、家庭市場・ビジネス市場共にプラス成長になった。ビジネス市場は震災の影響が残ったものの企業の需要が回復し、前年同期比でプラスの成長になった。家庭市場はPCの単価が下がったことで需要が刺激されプラス成長になった。
ベンダー別で見ると、上位3社の順位に変動はなかったが、前期5位だったヒューレット・パッカードはデルを抜き4位に順位を上げた。
首位のNECは、前年同期比3.0%増とプラス成長になった。ビジネス市場では教育市場で落ち込んだが、中堅中小企業の需要が堅調で、昨年と同等の出荷台数を確保した。家庭市場では価格攻勢によってプライスリーダー的な役目を果たし、出荷台数を伸ばした。
2位の富士通は、前年同期比0.4%増の若干のプラス成長にとどまった。ビジネス市場は中堅中小企業の需要が堅調だったが、大企業・官公庁・教育市場で落ち込み、昨年の出荷台数を若干下回った。
3位の東芝は、上位5社の中で唯一、2期連続のプラス成長を達成し前年同期比15.5%増の2ケタ成長となった。ビジネス市場では大企業向け出荷が堅調に推移し、家庭市場ではデスクトップPCの出荷増が寄与して、ビジネス市場・家庭市場共にプラス成長となった。
PC、携帯端末&クライアントソリューション グループマネジャーの片山雅弘氏は「東日本大震災の影響は2011年第2四半期でほぼ終息した。ビジネス市場では、震災により2011年上半期(2011年1月~6月)は約39万台下振れしたと見ていた。しかし、欧米の経済の悪化により円高が進むと企業は再び支出を抑え、PCの需要に悪影響を与えることも考えられるため、予断を許さない状況は続く」と分析している。