Webサイトが高齢者や障害者にとって使いやすいかどうかを示す「Webアクセシビリティ」に関するコンサルティングを行っているアライド・ブレインズは8月10日、202の官公庁公式Webサイトを対象に実施したアクセシビリティに関する調査結果を発表した。

同社は、2006年から官公庁や独立行政法人、自治体、政党のWebサイトを対象にしたアクセシビリティ調査を実施している。官公庁や独立行政法人に関しては、6月15日~8月3日に「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査 官公庁編第5回」を実施し、今回その結果を発表した。

同調査によると、官公庁公式Webサイトのうち、約8割に当たるサイトにおいて最も基本的なアクセシビリティ上の対応に問題があり、公共サイトとして求められる要件を満たしていない状況が明らかになった。

アクセシビリティ品質のレベルと到達点

レベル レベルの到達点
Aレベル アクセシビリティ対応のスタートライン
Bレベル 対応途上
Cレベル 対応に着手した段階
Dレベル 対応不十分
Eレベル 対応未着手

「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査 官公庁編第5回集計結果」 資料:アライド・ブレインズ

第4回調査から対象としていた178サイトのうち、33サイトは前回評価よりも改善しているが、13のサイトで評価が下がっている。

東日本大震災では、インターネットを活用したコミュニケーションの有効性が再認識されたと同時に、高齢者や障害者への配慮に欠ける情報提供のあり方が問題になった。多くの官公庁が「東日本大震災関連情報」などの緊急特設コーナーを設けて情報発信を行ってはいるが、重要な情報を国民へ届けるという本来の役割が十分に発揮できていない状況も判明した。改善へ向けた一層の努力が望まれる。

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