セルシードは、細胞シート工学の応用展開の1つである「細胞シートを利用したがん組織モデル作製技術」に関する特許が日本で成立したことを発表した。
特許番号は特許第4781999号で、発明の名称は「癌細胞移植動物の製造方法」となっている。細胞シート工学は、同社取締役で東京女子医科大学の岡野光夫教授が考案したもので、同特許は再生医療ではなく、医薬品のスクリーニングなどに用いる評価実験用動物の作製に対して細胞シート工学を応用するという新たな発想に基づいたものとなっている。
同技術で作製された評価実験用動物を用いると、例えば抗がん剤の候補化合物について動物レベルでの有効性を従来以上に正確にスクリーニングすることができるようになるため、新しい抗がん剤の研究開発に必要な期間・投資額・実験動物数などの削減やその開発成功確率の向上を実現できる可能性があると同社では説明している。
なお、同特許は、今回成立した日本だけでなく、海外主要国においてもすでに出願済みであるという。