Sambaチームは8月9日(協定世界時)、ファイル共有アプリケーションの最新版となる「Samba 3.6.0」を公開した。SambaはWindowsファイル共有の機能を提供するソフトウェア。Linux/FreeBSDなどをベースにファイルサーバを構築するケースや、NASストレージなどのアプライアンスで採用されることが多い。
Samba 3.6.0の最大の特徴は、クォート関連の機能がサポートされていない点を除き、SMB2プロトコルをほぼフルサポートするバージョンになった点にある。SMB2フルサポートを謳ってはいるものの、今回はデフォルトでは有効になっておらず、smb.confの[global]セクションに「max protocol = SMB2」を追加してSambaを再起動することで有効にできる。Windowsクォート管理ツールを使ってユーザクォートを変更する処理だけはサポートされていないが、それ以外のSMB2はすべてサポートされているという。今後広く動作確認がとれた段階でSMB2をデフォルトで有効にすると説明がある。
Samba 3.6ではセキュリティを向上させるために、セキュリティ関連のデフォルト値のいくつかが変更されている。たとえば3.6では「client ntlmv2 auth = yes」がデフォルトの設定となり、クライアントとしての認証にNTLMを使わなくなる。これら変更はsmbclientやwinbindなどのツールが影響を受けることになる。NTLM認証を使いたい場合、smb.confに「client ntlmv2 auth = no」の設定を追加するか、ツールに「--option=clientusentlmv2auth=no」のオプションを指定して実行すれば良い。