IDC Japanは8月3日、4月に実施した国内ビジネスPCに関するユーザー調査の分析結果を発表した。同調査では、PCの平均利用年数やPC製品に対する期待についてまとめている。
3回目となる今回の調査では、デスクトップPCの利用年数が4.6年、ポータブルPCが4.1年であることがわかった。PCの平均利用年数は、2年前に実施した2009年4月の調査と比べて、デスクトップPCは0.4年、ポータブルPCは0.5年、それぞれ延びている。
国内PC市場 ビジネスユーザー フォームファクター別平均利用年数(2009年4月~2011年4月の推移) 資料:IDC Japan |
ユーザー企業のPC製品に対する評価は、全体の86.0%が「満足している」という結果となった。2010年の7月調査の85.4%と比べて0.6ポイント増加した。PCベンダーに対する評価では、2009年4月調査における不満足項目が2011年4月調査で改善したベンダーはNEC、富士通、東芝、デル、ヒューレット・パッカードで、これらはPC出荷台数の上位ベンダーと重なる。
PC製品に対する期待は、これまでの調査と同様に、「安価な製品の提供」が第1位となった。ただし、2009年4月の調査では低価格を要望する割合が25.3%だったが、今回の調査では18.0%まで減少しており、価格を下げて欲しいという要求が高い一方で、「長期間の製品保守対応」「省電力対応」「高性能な製品」などに期待する割合が上昇しているという。
PC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの渋谷寛氏は、「今回の調査結果から、2011年は企業でのWindows 7導入率上昇により、PCの買い替えがより促進されると考えられる。クラウド、仮想化などの買い替えを促進するドライバーの影響によって、ビジネスPC市場は拡大基調にある。一方、PCのコモディティ化とPC市場の成熟化は進んでおり、平均使用年数も長期化している。これを打破するため、PCベンダーは機能や技術での差別化から脱却し、サービスやマーケティングで他社との違いを際立たせるブルーオーシャン戦略を考案する事が重要」とコメントしている。