宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月3日、8月1日8時10分(日本時間)頃に国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」において、電力系統の異常が発生したことを明らかにした。これにより、衛星間通信システム(ICS)への給電が停止したという。

ICSは、きぼうの運用を効率的に行うため、船外実験プラットフォームに直径約80cmのアンテナを設置し、JAXAのデータ中継技術衛星「こだま(Data Relay Test Satellite:DRTS)」を経由して筑波宇宙センター(TKSC)との間でデータ、画像および音声などの双方向通信を行う日本独自のシステム。

船内実験室に搭載される与圧系サブシステム(ICS Pressurized Module subsystem:ICS-PM)と、船外実験プラットフォームに取り付けられる曝露系サブシステム(ICS Exposed Facility subsystem:ICS-EF)で構成されており、これまでの調査により、きぼう船内の電力配電装置からICSラック内の受電機器までの間に何らかの異常が生じ過電流が流れたものと考えられるとしており、8月3日現在、軌道上の宇宙飛行士とも協力して今回の異常の原因究明作業を進めているという。

なお、今回の異常によるクルーの安全性およびISSのシステム運用への影響はないという。

ICSの構成(出所:JAXA Webサイト)

エンデバー号から撮影された「きぼう」(出所:JAXA Webサイト、(C)NASA)