Intersilは、同社のマルチフェーズDC/DCコントローラファミリとして「ISL95831」を発表した。
同製品は、CPUコアおよびGPUコアの電源向けソリューションで、高い負荷変動応答と省電力性が特長。Intelがスマート電圧レギュレーションとして定めた「IMVP-7/VR12」仕様に準拠しており、第2世代のIntel Core-i5/i7プロセッサを使ったシステムの消費電力の抑制に寄与するという。
周波数固定のPWMコントロールと周波数可変のヒステリシスコントロールを組み合わせることで、高速な負荷変動応答を実現した同社独自の「R3(Robust Ripple Regulator)テクノロジーを採用しており、これにより一般的なモジュレータに比べて高速なセトリングを実現したほか、軽負荷時の効率を高めるようにスイッチング周波数を自動的に設定できる仕組みとなっている。
そのためCPUが頻繁にスリープモードに移行した場合でも、競合製品に比べてシステム性能の低下を招く遅延時間の増加を発生させることがなく、CPUは最大限の性能を発揮することができるようになるという。
入力電圧範囲は4.5Vから25Vで、出力電圧範囲は0.25Vから1.5V。2系統の出力の両方ともに、インダクタのDC抵抗(DCR)を使った電流センスが可能であり、必要な部品はDCRの温度補償用として負の温度係数を有するサーミスタ1個のみで良い。また、2系統の出力はいずれも、リモート電圧センス、過電流保護、独立したパワーグッド信号に対応するほか、VBOOT電圧、最大電流、最大温度、スイッチング周波数をそれぞれ設定可能だ。さらに、コンフィギュレーション用にシリアルデータバスを備えているほか、出力は2系統あり、内蔵のゲートドライバとの組み合わせで、第1出力は3相動作/2相動作/単相動作を選択可能(第2出力は単相動作のみ)となっている。
なお、同製品は6mm×6mmサイズの48ピンTQFNパッケージで供給され、すでに量産受注を開始している。単価は1,000個受注時で3.68ドルとなっている。