Wind Riverは、ユーザインタフェース(UI)をテストするために人間が行う操作を再現することで、デバイスのユーザエクスペリエンスの検証を支援するAndroidテスト開発キット「Wind River UX Test Development Kit」を発表した。
同キットはEclipseベースのテスト作成環境で、Android端末、アプリケーション、ブラウザベースのWebコンテンツ向け自動テストスクリプトを作成することが可能で、実環境テストの自動実行によりテスト時間の短縮が可能となる。
この自動化されたテストでは、アプリケーションとの対話をUI経由で行うことにより、実際のユーザが行うようにデバイスを扱うことが可能だ。例えば、品質保証エンジニアは、アイテムのドラッグや物理/仮想キーボード上でのタイプ入力といった、GUI要素を使った操作時の、ユーザエクスペリエンスをテストするシナリオを自動化することができるようになる。
また、従来のUIテストソリューションとは異なり、同じテストスクリプトをハードウェア特性の異なるAndroid端末に使用できるため、テスト対象のデバイスがスマートフォン、タブレット、他のAndroid端末であっても品質保証チームは同一のテストケースデータベースを管理することが可能となる。
作成されたテストスクリプトは、同社のAndroid搭載端末向けの包括的なソフトウェアテスト自動化ソリューション「Wind River Framework for Automated Software Testing(FAST)for Android」を使用して管理され、自動実行される。
同キットには、ブラウザ、カメラ、連絡先、メディアプレーヤー、電子メールのような標準的なAndroidアプリケーション用の抽象テストのほかに、Googleマップ、Facebook、TwitterなどのAndroid Marketアプリ用のサンプルテストスクリプトが含まれている。また、Androidネイティブブラウザを介して、HTML5アプリケーションやWebページとやりとりするテストスクリプトを作成することも可能なほか、トラブルシューティングを簡単に行えるように、ソフトウェアの不具合を追跡し、不具合を特定することもできる。
また、同社は併せて、Android搭載端末のテストに使用できる「Wind River FAST for Android」の最新版も発表している。新たに搭載された機能により、テスト対象のデバイスをより簡単に取り扱うことが可能となったとしている。主な機能としては、Androidリファレンスデバイスとすばやく比較して、デバイスのパフォーマンスを評価するベンチマーク指標「FAST Android Score」を用いることで、一連のテストから評価点をスピーディに生成できるようになり、FASTの全テストを実行しなくても、Android端末のパフォーマンスを決定する主要コンポーネントを組み込むことが可能となる。さらに、バッテリ寿命、Androidの更新メカニズム、Stagefrightメディアフレームワーク、その他のオーディオ/ビデオメディア機能のテスト用に作成したこれまでのテスト資産を活用することも可能となっている。