ハッカーグループのAnonymousとLulz Security(LulzSec)は7月27日、オンライン決済サービスのPayPal(米eBay傘下)のボイコットを呼びかけた。PayPalが2010年12月以来、WikiLeaksの口座を凍結していること、メンバーを追跡する連邦捜査局(FBI)への調査に協力していることなどを批判している。
AnonymousとLulz Securityは、アンチセキュリティ活動「AntiSec」の下、ドキュメント共有サービスPastebinにて共同声明を発表している。
PayPalは2010年12月、WikiLeaks創業者のJulian Assange氏の逮捕を受けてWikiLeaksへの風当たりが強まる中で、寄付用の口座を凍結した。Anonymousは当時も抗議活動として攻撃したが、今回は、AntiSecの下でPayPalユーザーに口座解約を促すボイコット運動を展開している。米国政府の圧力を受けてWikiLeaksへのサービスを停止したこと、AntiSec活動の参加者を追跡するFBIの調査に協力していることなどを非難している。
また、Anonymousは、TwitterやYou Tubeなどのソーシャルメディアを使って、活動の普及を図っており、開始後5時間の間、1分当たり4件のアカウントが解約されているとツイートしている。
これを受け、eBayの株価は同日3.08%下がり、終値は33.36ドル。時価総額は約10億ドルの損失となった。
声明文では、このところ相次いでいるメンバーの逮捕についても異議を唱え、「倫理的でモダンなサイバー活動に参加した人を逮捕し、威嚇していることに憤慨している」「コーラス(合唱)にさらに声を加えてデジタルの座り込みストライキに加わることと、感染したコンピュータで構成される大規模なボットネットを操作することは異なる。これをFBIは理解する必要がある」と記している。声明文によると、"容疑者"として逮捕されたAnonymousメンバーは、最大で罰金50万ドルと15年の刑期となる可能性もあるという。