富士通と千葉市教育委員会教育センターは7月26日、千葉市内の小中学校と特別支援学校の176校に教職員用・生徒用として8,000台のPCを導入し、シンクライアントシステム「Cabinet統合システム」を共同で構築したと発表した。

千葉市は1999年より千葉市教育情報ネットワーク「Cabinet」整備事業を実施しており、今回のCabinet統合システムの構築は情報通信技術による業務効率化と情報セキュリティの向上を狙ってのものとなる。

具体的には、指導用や校務用にシンクライアントPCとして富士通の「FMV-TC8390」約3,000台を導入し、仮想デスクトップ環境で運用。データはPC本体ではなく、サーバおよび集中管理するシステム上に保存される。また、学校のPC教室にはネットブート型のシンクライアント端末「ESPRIMO D550/B」を約5,000台導入し、生徒の個別学習にも対応した環境を提供している。

Cabinet統合システム全体構築図

本システムを利用することで、教員が、生徒の住所や氏名、成績などの個人情報をUSBメモリなどで持ち帰ることなく、自宅のPCからVPN経由で集中管理システムにアクセスして学校にあるPCと同じ画面で作業が可能になるなど、セキュリティを強化したうえで利便性を向上している。また、同一端末を生徒と教職員がID入力とカード認証によって使い分けられるなど、情報資産の有効活用も実現されている。