OKIセミコンダクタは、ワールドワイドビデオ信号2方式(NTSC/PAL)に対応した小型低消費電力ビデオエンコーダ「ML86V76580」を発表した。サンプル価格は500円(税別)で、すでに2011年7月から月産10万個の体制で量産を開始している。生産拠点は、前工程をOKIセミコンダクタ宮城、後工程はOKIタイランドおよびOKIセミコンダクタ(八王子)としている。
NTSCおよびPAL方式のコンポジットビデオ信号は現在、世界で最も普及しているアナログ映像信号方式であり、映像機器間の接続用インタフェースとして欠かせない信号となっている。また、携帯機器などの映像出力機能のインタフェースとしてもコンポジットビデオ信号が使用されるようになってきており、より低消費電力化、省スペース化が可能なコンポジットビデオ信号出力対応ビデオエンコーダが求められるようになっていた。
同製品は、同社が民生、車載市場で培った高画質、高信頼性ビデオエンコード技術をベースに、コンポジットビデオ出力対応に特化し、映像機器との接続時のみ動作可能とする接続検出機能を搭載することで、ポータブル機器の消費電力の低減を可能とした。
また、世界最小クラスの小型パッケージWCSPを採用しているため、実装スペースの削減も可能だ。このため、同社従来品の小型ビデオエンコーダ「MSM7652」と比較して、消費電力は半分の178mW、パッケージサイズは、面積1/10以下の2.76mm×2.50mmを実現したという。
なお、温度拡張(-40~+85℃)に対応したTQFPパッケージ品も用意しており、民生用途だけでなく車載、セキュリティ用途にも使用することが可能となっている。