計測機器ベンダ大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは、iFunnel四重極飛行時間型液体クロマトグラフィ質量分析装置 (Q-TOF LC/MS)「Agilent 6550 QTOF LC/MSシステム」を発表した。
同システムは、TOF感度を低フェムトグラム域にまで高めると同時に、毎秒50スペクトルの取り込み速度、最大5桁のスキャン内ダイナミックレンジを実現したものとなっており、メタボロミクス、食品安全性スクリーニング、初期段階の薬剤代謝および薬物動態分析、タンパク質同定といった困難な定性および定量分析に適用することが可能となっている。
同システムには、新たに開発された定性および定量分析を円滑化するMassHunterソフトウェアの機能とQual/Quanワークフローが搭載されているほか、同じく新しく開発されたStudy Manager機能を使うことで、取り込みおよび処理メソッドを容易に設定し、システム全体の効率を高めることができるという。
なお、早期利用ユーザであるチューリッヒ工科大学分子システム生物学研究所の Nicola Zamboni博士は、「6550で得られる分析結果にはたいへん満足している。感度と分解能の向上により、再現可能な形で検出できるm/zが10倍に、イオンカウントが10~100倍に向上し、メタボリズムのカバー範囲が広くなったものの、変動係数は変わらず、高い質量精度も維持されている」とコメントしている。