Analog Devices(ADI)は、±30Vを超える入力過電圧保護(OVP)機能を集積したデュアル高精度マイクロパワー・オペアンプ「ADA4096-2」を発表した。同製品はすでに量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価は1.87ドルとなっている。
同製品は、電源レールの上および下側に32Vまで広がる入力OVP機能を内蔵しており、これにより、アナログ設計者は外付けOVPソリューションを不要もしくは最小限度に抑えることができるようになる。
消費電流は1アンプ当たり60μAで、競合製品と比べて、2倍の帯域幅と半分の電圧ノイズを実現しているため、電圧レベルが急速に低下または上昇するプロセス制御、高密度またはループ駆動の工業用計測機器、およびバッテリ駆動の医用機器など、精密な信号ハンドリングや高精度で低消費電力を必要とする工業用センサなどのアプリケーションなどに対応することができる。
また、オペアンプは電源供給がない場合、監視している信号が生きている状態だとダメージを受ける場合があるが、同製品の入力OVP回路では、電源が印加されていなときにも保護機能が働く状態を維持する設計になっているため、電源のオン/オフ・シーケンス中やローパワー・スリープ、スタンバイ・モード動作でも入力を保護し、すべての電子システムが正常に動作し続けることを保証している。
さらに独自の設計により、800kHzのユニティ・ゲイン帯域幅を達成。Typical値が35μVのオフセット電圧と同じくTypical値が1μV/℃の温度ドリフト性能の組み合わせにより、全温度範囲にわたって高いDC精度を提供し、高精度測定用のためのキャリブレーションの必要性を低減することが可能となっている。電圧ノイズも27n/√Hzで、拡張工業用温度範囲(-40℃から+125℃)で3Vから30Vの電源レンジで片電源あるいは両電源の完全動作仕様となっている。