NHKと三菱電機は7月19日、高画質のハイビジョン映像のまま、高速で映像関連情報を埋め込み/読み出す技術の開発に成功したと発表した。両社は共同で映像の情報管理や著作権保護に役立つ「電子透かし」技術を開発している。
これまでの電子透かしは、圧縮した映像を対象に埋め込み処理を行っており、放送用の高画質映像には利用ができず、映像情報として十分な情報量のデータを高速で埋め込むことが困難だった。
これに対し、両社が開発した電子透かしは分割処理による埋め込みアルゴリズムを採用することで、画質劣化を抑えながら十分な量の情報を短時間に埋め込むことに成功した。また、新たな映像処理技術により、数秒程度の映像からでも埋め込まれた情報をすばやく取り出すことが可能。
具体的には、画質劣化を伴わずに埋め込み処理時間を20倍に高速化するとともに、検出に要する画像フレーム数を5分の1から10分の1に削減している。
さまざまな圧縮方式に加え、サイズ縮小やアナログ変換された映像からの検出も可能なため、さまざまな分野での著作権保護に利用できるほか、汎用的なライブラリ形式のソフトウェアで作成されているため、多彩な分野の映像機器に利用できる。