台湾VIA Technologiesは7月6日(台北時間)、子会社のS3 Graphicsをスマートフォンメーカーの台湾HTCに売却することで合意したと発表した。買収金額は約3億ドル。S3は、米Appleが自社特許を侵害していると米国際貿易委員会(ITC)に申立てており、今月1日に初期判定で訴えが認められたばかり。買収先のHTCも同じくAppleと係争中という背景がある。
S3はイメージ圧縮やグラフィック技術を持つベンダーで、任天堂やソニーなどのゲーム機、PC、携帯電話向けに技術をライセンスしている。
VIAは2001年に同社を買収、2005年に投資会社WTI Investment Internationalの資本を受けている。WTI Investment Internationalの最大株主であるCher Wang氏は、HTCとVIAのチェアマンを務めている。
S3とHTCが共通しているのは、Appleとの特許係争だ。HTCは2010年3月、米Appleによりデラウェア州連邦地方裁判所とITCで起訴されており(その後HTCも反訴した)、S3は2010年5月、Appleを相手取りITCに苦情を申立てている。ITCは2011年7月1日、S3の訴えを一部認める初期判定を示している。そういったことから、HTCによるS3取得は、Appleとの特許訴訟にも影響する可能性がある。
取引は2011年中に完了を見込む。
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