帝国データバンクは7月5日、全国2万2,773社の企業に対し実施した夏季の電力使用量削減に関する調査結果を発表した(有効回答企業数は1万1,032社)。これによると、今夏に節電を実施する企業は72.7%で、全国の36.3%、南関東では58.6%が政府目標以上を見込むという。
今夏の節電実施状況を聞く質問では、「実施する(予定・検討を含む)」と回答した企業は1万1,032社中8,020社、構成比72.7%となった。一方、「実施しない(予定・検討を含む)」は同11.3%(1,245社)だった。
節電による電力使用の削減量の内訳は、「15%」が同27.3%(3,011社)で最も多く、4社に1社が政府目標程度を見込んでいる。また、「15%超25%未満」が同6.3%(695社)、日本経済団体連合会による加盟団体・企業への要請と同程度の「25%」が同1.6%(176社)、それを上回る「25%超」が同1.1%(120社)となり、合計36.3%(4,002社)の企業が政府目標以上の電力使用削減を考えていることがわかった。
なかでも、政府の要請地域である『東北』は同42.7%(241社)、『北関東』は同49.6%(344社)『南関東』は同58.6%(2,134社)といずれも高い割合を示している。
一方、政府目標を下回る「15%未満」は同23.0%(2,533社)となっており、企業の2割超が節電は実施するが政府目標の達成は困難と認識している。その要因について聞いたところ、「事業所や店舗のため限界がある」が同55.2%(1,399社。複数回答、以下同)という回答が過半数を占め最多となった。これに、「生産設備のため限界がある」(同36.1%、914社9、「(LED・空調などの)省エネ製品に切り替える余裕がない」(同29.8%、756社)と続いた。
夏季の電力使用削減量が15%以上と回答した企業に削減方法を尋ねたところ、「節電意識の向上」を挙げた企業が同79.4%(3,177社。複数回答、以下同)と8割近くに達した。これに、空調設定の見直しやエレベーターの一部停止など「設備の使用を制限する」(同67.2%、2,689社)が約7割と上位2項目が突出して高く、「(LED・空調など)省エネ製品への切り替え」(同30.7%、1,229社)は3割を超えた。
環境省が推進しているスーパークールビズの取り組みのうち、自社で実行可能だと思う項目を尋ねたところ、「エアコンは必要な場所、必要な時だけつける」が1万1,032社中7,561社、構成比68.5%が最多の回答となった。スーパークールビズの服装については、「やり過ぎ」「は仕事上の緊張感が欠けるような気がして反対」と否定的な意見も見られた。
スーパークールビズの実行可能性(複数回答) 資料:帝国データバンク |