代表取締役社長 藤岡健氏

チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは、2月に発表した「Check Point R75」の国内販売開始を発表するとともに、プレス向けの事業戦略説明会を開催した。「Check Point R75」の価格は198,000円から。

4月に代表取締役社長に就任した藤岡健氏は、ファイアウォールおよびIPsec VPNの2010年度の国内シェアがトップ(金額ベース)であり、昨年はワールドワイドの売り上げが初めて10億ドルを超えたことを紹介し、次世代ファイアウォールといわれる「Check Point R75」を中核に、3年後には日本での売り上げを2倍にするという目標を掲げた。

ファイアウォールおよびIPsec VPNの2010年度の国内シェア

業績と今後の計画

藤岡氏は、昨今の組織を取り巻くセキュリティ環境として、内部からのリスク、ビジネス環境の課題、外部からの攻撃を挙げ、新しい環境に対応するためには、数多くの対策機能の導入と運用が必要で、組織のニーズを満たした最適なポリシーを実施していくことが重要だとした。そして、それには同社が提唱する「3D Security」を搭載した製品が、ソリューションとして最適であると述べた。

3D Securityは、「POLICIES(ポリシー)」「PEOPLE(ユーザー)」「ENFORCEMENT(実施)」という3つの要素を結び付けて、あらゆるセキュリティ・レイヤの保護性能を強化する同社の新ビジョン。藤岡氏はこのうち、ユーザーの意識向上がセキュリティ対策の効果に大きく影響し、とくに重要だとした。

この3D Securityビジョンに基づく最初の製品が、「Check Point R75」だ。この製品は、従来のネットワークやアクセスを制御するファイアウォール機能に加えて、Mobile Access、DLP、Application Control、IPS、Identity Awareness(ユーザーID認証)の各機能を、SoftWare Baldeというモジュールを追加することにより実現する。各SoftWare Baldeは、ユーザーニーズに応じて自由に選択でき、冒頭で紹介した198,000円という価格は、SoftWare Baldeの1つあたりの最低価格となる。

「Check Point R75」で強化された主な機能

Identity AwarenessとApplication Controlを利用した機能では、アプリごと、アプリのカテゴリごと、あるいはユーザー個別にアプリケーションの利用可/不可を制御できる。ユーザーIDは、Active Directoryと連携が可能なほか、ユーザーIDを入力するためのポータル、あるいはエージェントも用意されている。システム・エンジニアリング本部 本部長 安藤正之氏は、「これらにより柔軟な方法が選べ、確実なユーザー認証ができる」と述べた。

ユーザー/グループ単位でのアプリ制御

藤岡氏は、3年後に売り上げを倍にするための施策として、「営業部門の強化」、「移行プログラムおよびプロモーションの推進」、「サポート・サービスの拡充」の3点を挙げ、これらの施策によって、既存ユーザー、あるいは新規ユーザーに次世代ファイアウォールへの移行を促進していくという。

営業部門の強化では、ユーザーへのダイレクトサポートを行っていく。これまで同社は、パートナー、ディストリビュータへの支援を中心に行ってきたが、今後は大口ユーザーを中心に、個別のユーザーに対応できる部隊約30名を増員し、ハイタッチ営業を行っていく。これは、「Check Point R75」では単一の機能だけでなく、個別のユーザーニーズに合わせた機能をインテグレーションしていく必要があるためだという。

今後がハイタッチ営業を強化

移行プログラムおよびプロモーションの推進では、アップグレードキャンペーンや既存製品の下取り、1年間の無償での機能体験、R75体験トレーニング、パートナーとの共同プロもーションなどを展開。

サポート・サービスの拡充では、導入支援サービス、運用支援サービス、オンサイト・サポート・サービス、カスタマイズド・サポート・サービスを展開していく。

藤岡氏は、新たにリプレースを狙うユーザーの割合を、既存ユーザー3割、新規ユーザー7割とした。