NTTコミュニケーションズは、2011年7月にマレーシアのサイバージャヤにて、データセンター国際基準「Tier III」に拡張可能な「サイバージャヤ3データセンター」の建設を開始すると発表した。サイバージャヤ3データセンターは、同社の100%子会社であるNTT MSC Sdn Bhdを通じて建設され、2012年度第一四半期(2012年4‐6月)を目途にサービスの提供開始を予定している。

マレーシアは地震や津波などの自然災害の影響が少なく、また電力料金が安価であることから、災害時リカバリーやオフショアの拠点として注目されており、同社はこれまでもマレーシアの首都クアラルンプールの郊外のサイバージャヤで子会社を通じて2002年よりデータセンターサービスを提供している。今回は既に提供している「サイバージャヤ1データセンター」と「サイバージャヤ2データセンター」に続く建設となる。

同社によると今回建設されるサイバージャヤ3データセンターの主な特長は以下の通り。

  • 安価で拡張性のあるデータセンターとして、NTTコミュニケーションズグループで定めたグローバル統一品質基準を満たすサービスを提供
  • 商用電源や空調、UPS、発電機、配電ルートなどの冗長化による高信頼性と再生可能エネルギーの導入などによる環境に配慮した設計
  • 顧客が利用可能なオフィスビルを併設、また24時間365日の迅速な保守運用体制
  • NTTコミュニケーションズの国際IPバックボーンを利用した高速かつ大容量なインターネット接続など、今まで以上に低遅延で信頼性の高いサービスを提供

公開されたケーブルイメージ図

なお、データセンター国際基準はTIA(米国電気通信工業会)およびTUI(The Uptime Institute, Inc.)によって定められたもの。商用電源、空調、UPS、発電機、配電ルートなどデータセンターに必要なファシリティの冗長構成や、運用体制・レベルを詳細に評価し、データセンター全体としての品質、信頼性を客観的かつ包括的に評価する仕組みで、「Tier I」から「Tier IV(最高水準)」がある。