Analog Devices(ADI)は、次世代計装アンプ製品として、高精度と低消費電力を実現した幅広い電源電圧で使用できるマイクロパワー計装アンプ「AD8420」を発表した。同製品は、小型のMSOP-8パッケージを採用にてすでにサンプル出荷を開始しており、1000個受注時の単価は0.89ドル(米国での販売予定価格)としている。量産出荷は2011年9月を予定。
同製品は、100dBのCMRR(同相電圧除去比)と電源電流75μAを実現しており、競合製品に比べ、高い信号品質とバッテリ寿命の延長を実現する。CMRRが高いため、ブリッジアンプ、圧力センシングなどに適しているほか、設計者は点滴ポンプやリモートおよびハンドヘルド計測機器、スマートフォンといった携帯やバッテリ駆動で高精度な信号品質が求められるヘルスケアや計装アプリケーションの設計においてのシステム性能を改善することも可能だ。
また、入力オフセットが200μV、オフセット・ドリフトが1μV/℃のDC性能を備えているほか、電源範囲は単一電源で2.7Vから36V、2電源で±2.7Vから±18Vかつレールtoレール動作出力で、電源とグラウンド間の信号を増幅することが可能だ。さらにゲイン範囲は1から1000で、2個の外付け抵抗比で設定でき、全温度範囲にわたり従来製品よりも良好なゲイン精度を提供する。
なお、同製品よりも高い性能を実現する上位グレード製品「AD8420B」も今後、発売される予定となっている。