Texas Instruments(TI)は、-55℃~+210℃の温度範囲で性能認証済みのシグナル・チェーン部品を搭載し、高温環境下で動作するデータ・アクイジション・評価モジュール「H.E.A.T.(Harsh Environment Acquisition Terminal)EVM」を発表した。

同評価モジュールは、200℃のオーブン温度において、最長で200時間の動作を提供するテスト・オーブンに対応しており、石油・ガスのボーリング探査、商用ジェット・エンジンおよび重工業などの過酷で耐久性を要する高温環境で動作する広範囲のアプリケーション向けに、温度センサ、圧力センサ、および加速度センサ向けに用意された6チャネルのほかに、差動信号用、シングルエンド信号用の2チャネルを追加した、合計8本の入力チャネルを提供する。

これを用いることで、温度保証範囲を超えた部品に求められる高額な認証試験や、スクリーニング・テストの実施を緩和させることができ、メーカー各社は過酷な高温環境で認証済みの部品を使用することで、各種アプリケーションを容易に開発することが可能となり、開発、検証および認証に必要な期間を短縮することができるようになるという。

なお、同評価モジュールは、同社の高温および高信頼環境向けのアナログおよび組み込みプロセシング製品のフル・ポートフォリオに追加され、参考価格5,749ドルにてすでに提供されている。また、同評価モジュールのハードウェアの初期設定および較正、チャネル設定そのほかの詳細を記載した「H.E.A.T EVM User Guide」もダウンロード可能となっているほか、同評価モジュールに搭載されているすべての高温用半導体部品は、高温用セラミック・パッケージおよび、テスト済みのチップ(KGD:Known Good Die)としても供給可能だという。