ルネサス エレクトロニクスは、CATVシステムの幹線増幅器(トランクアンプ)などに使用されるパワーアンプ向けに1GHz帯CATV用GaNパワーアンプモジュール「MC-7802」を開発、サンプル出荷を開始したことを発表した。サンプル価格は3500円で、2011年8月から月産1万個で量産を開始し、既存のCATV向けパワーアンプモジュールと合わせて月産20万個の量産を行う計画としている。

ルネサスの1GHz帯CATV向けGaNパワーアンプモジュール「MC-7802」

同製品は、高周波、高出力動作可能なGaN FETを適用したほか、増幅回路構成と使用部品などの整合回路を最適化、ならびに回路損失を最小化したことにより、高出力時の直線性を改善し、従来製品比で消費電力を増やさずに出力を2倍に高めることに成功した。

また、採用したGaN FETは従来手法とは異なりシリコン基板上に形成する手法を採用。これにより、高価なSiC基板を使用する必要がなく、大口径化がより容易になるため、高い価格競争力を実現することができると同社では説明している。

なお、同社ではGaN FETをキーデバイスとして位置づけ、今後CATV用パワーアンプモジュールの製品ファミリを順次開発・リリースしていく計画としている。