Freescale Semiconductorは、2011年6月20日~23日までテキサス州サンアントニオにて開催しているFreescale Technology Forum Americas(FTF Americas 2011)において、車載ダッシュボード表示パネル向けにPower Architectureテクノロジをベースとする32ビット・マイクロコントローラ「Qorivva(コリーヴァ)」として、新たに「MPC5645S」ファミリを発表した。

従来の自動車の計器パネル(ダッシュボード)はごく単純な構成で、距離、速度、エンジン回転、およびガソリン残量の値を指示するアナログ式の計器を装備するだけのものであったが、ドライバが求める情報は増え続けており、FPDを用いたダッシュボードなども用いられるようになってきた。しかし、ドライバが誤認しないような方法で状態を詳細に通知することは、設置スペースの制限などがあるために容易ではなく、またその表現力の向上に対する要求により、計器パネルには、より高性能なグラフィックス・プロセッサとより大容量のRAMを用いた複雑な表示を制御するデザインが求められている。

同ファミリは、同社のMPC5606Sファミリをベースとして、高品質なデジタル・グラフィックスやアナログ機能、デュアル・ディスプレイ、およびビデオ入力機能(バックアップ・カメラなどのアプリケーション向け)などの機能を1チップに統合したものとなっており、さまざまな制御系統からのデータを効率的に表示するための処理能力を備えているほか、BOMコストの低減やシステムの複雑化を回避することが可能となっている。

なお、同ファミリはすでにサンプル出荷を開始しているという。