Freescale Semiconductorは、2011年6月20日~23日までテキサス州サンアントニオにて開催しているFreescale Technology Forum Americas(FTF Americas 2011)において、Power Architectureテクノロジをベースとする32ビット・マイクロコントローラ「Qorivva(コリーヴァ)」として「MPC5604E」を発表した。

同製品は、車両の周囲360度を表示するために高解像度の圧縮映像データをFast Ethernetを介して送信し、駐車操作の簡易化・安全化を促進するもの。従来のシステムでは、車内で映像の送信を行うには、1本あたり約10ドルの費用がかかるLVDS(Low-Voltage Differential Signaling)ケーブルが4~5本必要であったが、同製品を用いることで2線式のEthernetネットワークの利用が可能となり、自動車メーカーは、材料費削減と車両の軽量化を達成しつつ、性能を向上させることができるようになると同社では説明している。

同製品は、車両の周囲に設置された複数のカメラの横に配置され、CMOSイメージセンサとの直接的なインタフェースが可能。取り込まれた映像データは、レイテンシが最も低いMotion JPEGで圧縮され、2線式Ethernetケーブルを通じて送信されるほか、AVBに準拠したハードウェア・アシスト・タイムスタンプ機能により、高精度なリアルタイム通信とカメラの同期が保証される。

なお、同製品は、すでにサンプル出荷が開始されている。