エルピーダメモリと秋田エルピーダメモリは、パッケージ高さ0.8mmを実現した4段積層DRAMの量産技術を確立したことを発表した。
同製品は、スマートフォンやタブレットPC向けの低消費電力DRAM(2GビットDDR2 Mobile RAM)チップをPoP(Package on Package)内に4枚搭載することで、モバイル機器の薄型化、大容量化を可能とするもの。PoPを活用することで、複数の別々の種類の半導体を1パッケージ中に積層することが可能となり、基板の実装面積低減や、歩留まりロスの低減、配線長の低減、反射やノイズの影響の抑制などの利点を得ることが可能となる。
従来品や競合製品などの4段積層PoP製品は、パッケージ高さが1.0mmで、薄型パッケージを利用したいときは2段積層品(パッケージ高さ0.8mm)を利用する必要があり、例えば8GビットDRAMを0.8mmパッケージで利用する場合、4Gビット品のDRAMチップを2段積層する形で対応していた。同技術は、エルピーダの小チップMobile RAMと秋田エルピーダの薄型加工、封止成形技術を用いることで実現したもので、これにより上記の例では2Gビット品のDRAMチップを4段積層という選択肢を選ぶことも可能となる。また、歩留まりも高さ1.0mm品と同程度を実現しており、コストも同等に抑えているという。
なお、エルピーダでは同製品の量産出荷を2011年7~9月期に開始する予定としているほか、今後は4Gビット品の4段積層も0.8mm高さのPoP製品として開発を行っていくとしている。