Mozillaは6月21日(米国時間)、Webブラウザの新版「Firefox 5」を正式リリースしたことを発表した。リリースされたのは、Windows版、Mac版、Linux版、Android版の4種類。デスクトップ版(Windows、Mac、Linux)では「CSS アニメーション」に対応し、Android版ではプライバシー機能「Do Not Track」を新たに搭載するなどの特徴がある。
Mozillaでは今回からリリースサイクルを大幅に刷新している。これまでは、機能の開発が終わるのを待ち、約1~2年の間隔で大きなリリースを行ってきたが、今後は基本的に6週間おきの短期リリースを繰り返していく形式に変更。例外的に、今回のリリースは前回から約3ヶ月、次のFirefox 6は8週間となっているが、その後は6週間ごとにリリースが続けられ、今年中にFirefox 9までが世に送り出される見通しになっている。
新たにリリースされたFirefox 5には、1000以上の改良とパフォーマンス向上が行われているものの、ユーザー向けの機能としては大きな変更はない。Webアプリケーション開発者向けには、前述のとおり、CSSアニメーションが取り込まれ、SafariやChromeと同様、簡単なアニメーションが標準技術のみで実装できるようになるなどの対応が行われている。また、今回からバージョンアップの適用プロセスも変更しており、新版がリリースされるとポップアップで通知され、そこから簡単にバージョンアップできる仕組みになっている。
一方、Android版では、以前からデスクトップ版に組み込まれている「Do Not Track」が追加された。こちらは、行動ターゲティング型の広告などで利用されることの多い、ユーザーの履歴追跡を止める機能で、デスクトップ版で一部のユーザーから好評だっため、Android版にも追加された。
なお、8週間後にリリース予定のFirefox 6に関しても、URLの表示部分でドメイン名を目立たせるようにした程度で、ユーザー向けの大きな変更点は少ない。まとまった変更は、Firefox7以降で行われる予定になっている。