ルネサス エレクトロニクスは、世界各国のデジタルテレビジョン放送に対応した映像規格に加え、インターネット対応などで必要とされるビデオフォーマット各種に対応したSTB向けSoC(システムLSI)「EMMA3SE/P」を開発、2011年7月よりサンプル出荷を開始することを発表した。また、SD放送に対応し、同製品のピン互換のシステムLSI「EMMA3SL2/LP」も製品化、同時期にサンプル出荷を開始することも併せて発表した。サンプル価格はEMMA3SE/Pが2000円、EMMA3SL2/LPが1600円で量産は2011年下半期から2製品合計で月産100万個を計画しているという。

ルネサス エレクトロニクスの3D放送/インターネット対応STB用システムLSI「EMMA3SE/P」のパッケージ外観

同製品は、H.264 HDデコードに対応したデジタル放送向けSTB用半導体デバイスとして、40nmプロセスや16ビット幅のDDR3メモリインタフェースを採用、従来品「EMMA3SL/P」と比べ端子数を3割削減することに成功しており、これにより、17mm×17mmの小型パッケージを実現している。

また、新たに3D対応TV向けH.264 MVC(EMMA3SE/Pのみ)、IP放送/ネットワークストリーミング向けVP6、Sorenson Sparkに対応しているほか、従来と同様にMPEG2、MPEG4 AVC、DivX、VC-1、WMV、中国独自規格AVSにも対応している。

さらに、著作権保護の重要性から、有料放送の不正受信防止機能として、世界の主要なセキュリティベンダの最新仕様に対応。同製品を採用することで有料放送業者は高度なセキュリティレベルを持つSTBの開発が可能となるという。

なお、同社ではこの2製品の拡販活動を、アジアおよび欧州を中心に積極的に進める計画としており、アジアでは、2011年度にH.264 HD放送の進展が予想されていることから、EMMA3SE/Pの拡販を進めていくほか、インド、アフリカ、ロシアなどのデジタル放送新興国ではH.264 SD放送の普及が見込まれているため、EMMA3SL2/LPの販売を推進していくとしており、将来的には、これらの製品を開発中のSTB用システムLSI「R-Home Sシリーズ」へ継承・発展いく計画としている。