イスラエルのオブジェット ジオメトリーズは21日、複数の材料を混合して使える機能を搭載した3Dプリンタ「Connexシリーズ」において、よりコンパクトな新製品「Objet260 Connex」を世界に先駆けて日本で発表した。価格は未定だが、2,000万円台だという。
Objet260 Connexは、消費財や家電などの組み立て製品のシミュレーションを行う設計者や技術者に最適な製品で、2種類の材料を同時に噴射して、産業用プラスチックのシミュレーションができるような高機能の複合材料を生成できる。具体的には、最大14の異なる性質を持つ材料を使って1体のモデルを造形でき、それらを混ぜ合わせて生成する51種類のデジタルマテリアルを含む、60種類以上の材料を利用できる。
Objet260 Connexにより、柔軟なゴムのようなジョイントのある剛体壁や、透明や不透明のパーツを組み合わせたモデルなど、全く異なる性質の材料で構成された試作品を造形できるようになった。
オブジェット ジオメトリーズ アジアパシフィックジャパン担当 マネージングディレクター ギラッド・イロン氏は、「2011年に日本にフィットする新製品を市場に投入でき、非常にうれしい。オブジェット ジオメトリーズは全従業員の25%以上が研究開発に従事しており、業界では、もっとも研究開発に投資し、バリエーションのある製品を投入できている。全世界の3Dプリンタの売り上げは、リーマンショック前の2001年から2006年まで平均20%で成長しており、今後も15%以上の成長が見込める市場だ。今後は、2DプリンタでExcelを印刷するような状況が3Dプリンタにも訪れるだろう。そして、1年半から2年でスピード、インクヘッドに革新的な技術を搭載した製品を発表する予定で、新材料の投入も計画している。2Dプリンタは現在、インクジェットとレーザーという2つにテクノロジーに集約されているが、3Dプリンタでは、我々の『PolyJet技術』に集約されていくだろう」と、自社の製品に対する自信を示した。
オブジェット ジオメトリーズ 日本担当リージョナルマネージャー 殿岡敬久氏は、「Objet260 Connexは、独自テクノロジーを搭載した一番期待している製品で、世界に先駆けて日本で発表する。複合材料を混ぜ合わせ、新しい素材を作成できる日本の市場にマッチした製品だ」と述べた。
今後は、材料性質の改善、低価格市場向け製品の拡充、Connexシリーズの拡張、製品ポートフォリオの拡張を行い、市場を拡大していく予定だという。
Objet260 Connexのトレイサイズは、X260×Y260×Z200mm、最終造形サイズ はX255×Y252×Z200mm、造形解像度は、X軸が600dpi、Y軸が600dpi、Z軸が1,600dpi。外形寸法はW870×D735×H1,200mm、重量は264kg。