Adobe AIR

Adobe AIRの最新版となる「Adobe AIR 2.7」が公開された。Adobe AIRはFlash技術を活用したリッチアプリケーション開発および実行プラットフォーム。Adobe AIR 2.7ではiOS版のパフォーマンス改善が目を引く。iOSにおけるレンダリングパフォーマンスが最大で4倍高速化されているほか、コンパイルオプションとしてインタプリタモードが指定できるようになった。Flash Player 10.3の機能が統合されている。

Adobe AIR 2.7でもう1つ注目すべきは、Linux向けのAdobe AIRおよびAIR SDKが提供されない点にある。Linux向けAIRの提供を開始した当初はデスクトップLinuxの普及を見込んでいたが、現状デスクトップとしてのLinuxシェアは1%未満で推移しており、増加傾向が見られない。ダウンロードに占める割合も0.5%と低調であるため、今後Linux向けのAIRおよびSDKの提供を停止すると説明がある。

このため、Linux向けAIRの最終バージョンはAIR 2.6ということになる。ただし、Linux向けの移植キットはOpen Screen Projectのパートナーへ提供されると説明があり、LinuxプラットフォームでAIRアプリケーションを動作させる必要がある場合には同キットを活用することになる。今後Adobeはシェアの増加が続いているiOSおよびAndroidのサポートを強化することになる。