住友電工は6月15日、太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電設備と蓄電池を直流(DC)で連系させたマイクロスマートグリッド実証システムを開発し、大阪製作所で構内試験を開始したと発表した。

今回開発したシステムは、4種類の発電装置と蓄電池を直流で連系させ、自然由来の不安定なエネルギーと、電力の需要を高度に管理することで、安定的かつ効率的に各種設備や機器に電力を供給することを可能にする。

同システムは、3種類の太陽光発電装置と小型風力発電装置、電力貯蔵用の小型レドックスフロー電池を総長約1キロメートルの直流電力ケーブルで連結する。発電した電力は所内一部の照明や家電製品、また超電導電気自動車用充電ステーションでの電力としても活用される。

発電電力(合計の最大発電能力は10キロワット弱)は、まずDC/DCコンバータで直流のまま昇圧し、直流電力ケーブルを経由してレドックスフロー電池に貯蔵、あるいはDC/ACインバータで一括して交流に変換し、スマート分電盤・インテリジェント電源タップ(コンセント)を経て負荷機器に供給される。

発電装置には、市販の2種類の太陽光発電装置と自社開発の集光型太陽光発電装置(CPV)、市販の小型風力発電装置が採用されている。蓄電池として採用された小型レドックスフロー電池は、不規則で変動の激しい充放電運転に適し、貯蔵電力量の正確な監視・制御が可能なことから、再生可能エネルギーの有効活用を目指すスマートグリッドに最適な蓄電池と、同社では考えている。

住友電工が開発した「マイクロスマートグリッド実証システム」