フリービットは6月14日、2011年4月期の通期連結業績を発表した。それによると、売上高が前年比58.3%増の232億8200万円、営業利益が同53.4%減の1億9000万円。Webマーケティング支援事業を展開するフルスピードグループの買収により大幅増収を記録したが、その傘下のアパレルメーカーであるギルドコーポレーションの売却などにより特別損失を計上。前年に比べて営業利益を大幅に減らしている。

2011年4月期の通期連結業績

同社は、今年5月にグループリストラクチャリングプラン「SiLK Renaissance」を発表。ノンコア事業を2011年4月期中に切り離し、コア事業にリソースを集中投下するとしている。その一環として、上記のギルドコーポレーションを売却したほか、パートナーシップを締結した中国aigoの事業と重複するEXEMODEを撤退させ、同社との合弁会社SmartCloudに開発を委譲している。

これを受け、今後はaigoブランド家電の国内販売をさらに強化していくほか、中国においてもSmartCloud社製ソフトウェアの販売に力を入れていく予定。今年5月にはチャイナテレコムと「M2Mにおける戦略的協力フレーム」構築における覚書も締結しており、さらなる事業拡大が期待できるという。

そのほか、主力事業であるISP事業は堅調に推移。新規ユーザーの獲得ではモバイルやクラウドの割合を増やし、収益率の向上が見込める状況ができたとしている。

フリービット 代表取締役社長 石田宏樹氏

2012年4月期に向けては、「"計算できる成長"を実現するSmart Infra企業集団として"飛躍を体感"する」という経営方針を掲げ、構造改革を継続しつつ事業拡大を進める。目標としては、売上高205億円、営業利益9億円という数字を提示している。

また、発表会では、各種の端末同士を直接連携させる「ServersMan」シリーズのデモも披露。Appleの製品戦略を引き合いに、端末同士のデータ連携/同期方法についても触れ、PCを介して各種の端末を連携/同期させる方法を第一世代、iCloudのようにクラウドを経由して連携/同期を第二世代と説明したうえで、ServersManでは第三世代となる端末同士のP2P通信が可能であることを紹介した。

なお、同社はServersManシリーズをアップデートし、IPv6に対応させたことも発表。クラウドストレージの「ServersMan@Disk」との連携も強化し、上記の第2世代および第3世代の通信をより便利に行えるようにしている。