奈良県と日本マイクロソフトは6月13日、「地域活性化協働プログラム」で協働することを発表した。ICT(情報通信技術)の利活用の促進を通して、奈良県内のさらなる地域活性化を目的としている。

協働プログラムの内容は以下のとおり。

  • NPO基盤強化プログラム : NPOが自立的かつ継続的に活動するための基盤強化を図るため、県内のNPO団体等を対象にITスキルを活用した運営上のノウハウを習得できる講座及び講師となる人材を育成する講座を協働で実施する。
  • シニア等のICT活用推進プログラム : よりよい地域コミュニティづくりを目指し、シニア等が地域づくりの担い手としてますます元気に活躍できるよう、県内のシニア等を対象にICT活用の利便性を周知するイベント及びICTスキルを習得できる講座等を協働で実施するとともに、シニア向けのICTの普及に取り組む団体等を対象に講師となる人材を育成する講座を協働で実施する。
  • セキュリティ啓発プログラム : 地方行政における安心かつ安全なIT環境づくりを目指し、県及び市町村の情報システムに携わる職員に対し、クラウド時代に対応できるセキュリティスキルを習得する研修を実施する。
  • 教育分野人材育成プログラム : 教職員のICT活用向上と学習支援を目的とした、eラーニング形式のトレーニングシステム等を用いた研修を実施するとともに、先進教育環境づくりのためのツールなどを協働で検証する。また、県下の高校生を対象にプログラミングの開発ツールを提供する。
  • 医療機関関係者向け支援プログラム : 地域医療を推進するうえで必要となるICTの導入や利活用促進の方策を探るとともに、医療施策を牽引できる人材の育成を協働で実施する。

期間は、平成23年4月16日から平成24年3月31日までの1年間。日本マイクロソフトは企画立案、講師の派遣、講師・技術者の育成、教材ソフトウェアの提供などを行い、奈良県は企画立案、会場の提供、広報活動などを行う。

日本マイクロソフトの樋口泰行社長(左)と奈良県の荒井正吾知事(右)

奈良県 荒井正吾知事は、今回の協働プログラムの実施に関して、「樋口社長は、奈良高校のご出身なので、故郷に向けてこのような活動をしていただいたことは県として深く感謝しています。マイクロソフトと取り組む地域活性化協働プログラムを通じて、県として期待するのは、教育や医療など、地域の課題の解決にICTを利用していくことや行政実務、NPOや医療機関などの民間活動とのコミュニケーションをICTを使っていくことです。また、シニア、NPO、先生など、地域でICTを利活用できる人を育てていければと考えています。」とコメント。

日本マイクロソフト 樋口泰行社長は、4月開始の協働プログラムの発表がこの時期になったことに関して、「3月14日に、奈良県との地域活性化協働プログラムの会見を予定していたが、東日本大震災で延期さいていただた」と説明。そのうえで、今回の取り組みについて、「奈良県との取組みでは、教育やセキュリティなど、クラウドを最大限利用したプログラム展開が特長とになっています。今回の奈良県との協働は、自分の出身が奈良ということもあり、いつも以上に重い入れが入っており、会社をあげて全力で組んでいきたい」と語った。