ローランドは、業務用音響・映像機器分野の新製品を発表する「ローランドAudio &Visual 新製品発表会 2011」を開催。本レポートでは、今回あらたにファームウェアによる機能強化が発表されたAVミキサー&レコーダー「VR-5」および、新製品のビデオ・コンバーター「VC-30HD」をフィーチャーしたビジュアル・セッションの模様について、紹介していこう。

「ライブ配信/収録の基本システム」と題された本セクション。AVミキサー&レコーダーVR-5の登場により、さらに身近になったライブ配信など中心に解説が行われた。また、新たに登場したビデオ・コンバーターの新製品「VC-30HD」の導入で手軽に行えるSDおよびHDライブ配信/収録の実演をはじめ、時代に即した新しいスタイルの配信ソリューションの提案なども紹介された。

国内ライブ配信を代表する3社であるUstream、Stickam JAPAN!、ニコニコ生放送など、関係各社の担当者も登壇し、各社の最新情報や機材環境なども紹介が行われた

セクションの冒頭では、新製品の発表に先立ち、簡単にネットライブ/ネット会議/演出/収録などがひとつの機器で実現するオールインワン・AVミキサー&レコーダー「VR-5」のファームウェアのアップデートが発表された。主なアップデート内容は、PC入力からの映像をそのままビデオソースとしてアサイン可能になり、ユーザーからの要望が多かったPCスクリーン映像と解説者映像の「ピクチャー・イン・ピクチャー」などが手軽に実現可能になるというもの。なお、最新アップデータは、近日登場予定とのことなので、VR-5ユーザーにとっては待ち遠しいところだろう。

「VR-5」を用いたデモンストレーションでは、UstreamやTwitterなどソーシャル・メディアのエキスパートである川井拓也氏(デジタルハリウッド大学大学院専任教授 / ヒマナイヌ代表取締役社長)が登壇。3台の小型一眼レフカメラを使った映像収録が披露された(左)。「VR-5」は、ワンランク上の映像収録/配信を実現するAVミキサー&レコーダー。価格は40万9,500円(右)

さらに、ネットライブストリーミングと高品位な映像収録を同時に行いたいなど、近年のマルチフォーマットでの配信・収録へのニーズの高まりを反映し、コンパクトなビデオ・コンバーター「VC-30HD」を発表。本製品は、ライブ配信/収録に活躍が期待されている注目のデュアル出力仕様となっており、USBおよびIEEE1394の両方に映像を出力できる。すでに映像送出の現場で活躍している同社のマルチフォーマット・ビデオ・スイッチャー「V-1600HD」などと組み合わせ活用することで、USB経由にて、ダウンコンバートしたSD画質でのライブストリーミングを行いながら、IEEE1394経由にてBDレコーダやPCなど利用しフルHD映像をリアルタイム収録するといった、シチュエーションも手軽に実現可能となる。

AV機器ジャーナリストの小寺信良氏による、新しいメディアであるライブ配信の魅力と実際の運用などについての解説、さらには「VC-30HD」および「V-1600HD」を使った映像送出のデモンストレーションも行われた(左)、「VC-30HD」は、多彩なフォーマット変換ソリューションを実現するビデオ・コンバーター。価格は19万4,250円で、2011年夏発売予定(右)

なお、当日のイベントの模様はすべて、今回発表された最新機器などを活用し、「Ustream」、「ニコニコ生放送」、「Stickam Japan!」にてライブ配信された。