アドビ システムズは、東京 六本木アカデミーヒルズにて「CS5.5 VIDEO DAY」を開催した。セミナーでは、「Adobe Creative Suite 5.5」によって進化した「Premiere Pro CS5.5」と「After Effects CS5.5」の新機能や、「NAB Show 2011」における最新映像制作事情などが紹介された。

映像作家 高野光太郎氏による「NAB 2011レポート」

セミナーでは、映像作家 高野光太郎氏により、2011年4月11日~4月14日に米国 ラスベガスで開催された映像機器展「NAB Show 2011(以下、NAB)」のレポートが行なわれた。

高野氏は今回のNABについて、「去年のNABはEOS 5D mk2ばかりでしたが、今年は対抗機種がいくつか出てきて人気でした。大判CMOSカメラが注目される時代が来ました」と語った。EOS 5D mk2の対抗馬として挙げられたのは、ソニーの「PMW-F3」と「NEX-FS100」、パナソニックの「AG-AF105」。価格は異なるが、どれも大判CMOSを採用しているという方向性は同じだ。

また、EOS 5D mk2の動画撮影用サポートリグメーカーとして話題になった「Zacuto」や「Redrock Micro」、「ikan」は、対抗するカメラにもサポートリグを装着して展示されていた。高野氏は「なんでもサポートリグが取り付けられていました。ここまでくると、ゴチャゴチャしてて、なんのカメラだかわからない状態」と、活発的なサポートリグメーカーのブースをレポートした。

「EOS 5D mk2」用のプロンプター。iPadに文字が表示され、これをマットボックスに取り付けて使う

ソニーの業務用新型カメラ。exmore Super35 CMOSを搭載した「PMW-F3」

ソニーの「NEX-FS100」に、フォローフォーカスやマットボックスなどが取り付けられている

大判CMOSカメラとは対局に位置する、小型軽量カメラとして人気の「GoPro Hero」。昨年のNABで人気を博し、現在はプロ・アマ問わずファンが多いカメラだ。今年のGoProブースには、3D映像を撮るための新型ハウジングが展示されていた。これは3台のGoPro Heroを収納できる3眼ハウジング。映像編集時に3つの映像ソースからふたつを選べるため、立体視の見え方を変えられる。さらに、今年は会場内には、軽量なGoPro Heroを載せて空撮を行なうための撮影機材として、ラジコンヘリも展示されていたとのこと。

「GoPro Hero」用の3眼立体視ハウジング。被写体との距離に応じて、3つの映像ソースから最適な2つを選んで編集する

8つのプロペラで飛ぶラジコンヘリ。本体下部にGoPro Heroが装着されている

RotorConceptというブースに展示されていたラジコン。本体前面にGoPro Heroを装着

セミナーの最後に高野氏は、「NABを見て、プロ用のビデオカメラの二極化が進んできたと思った。ものすごく高価なカメラと、個人でも購入できるカメラ。今回は発表されなかったが、個人でも購入できるカメラとして登場が予定されているEOS 5D mk3やREDスカーレットはとても興味がある。我々映像作家は編集だけでなく、自分でカメラを買って遊んでみて、それを仕事に活かすことも大事になってきている」と語った。