ゼットエムピー(ZMP)は6月1日、カー・ロボティクス分野の研究の加速をめざし、研究・教育用小型移動ロボットの開発・販売を行うスイスK-Teamと両社商品の相互販売を行うことで合意したことを発表した。
K-Teamは、スイス連邦工科大学(EPFL)の小型移動ロボット「Khepera」の成果をもとに設立された会社で、同シリーズを始めとする、先端研究・教育で使われる高品質の小型移動ロボットの開発・製造・販売を行っている。
提携の第1弾として、ZMPは群ロボットや人工知能などの研究で広く利用され、世界で約4,000台の販売実績を持つKheperaの最新モデルである「Khepera III」、エントリーモデルである「K-Junior」、屋外でも使用可能な中型移動ロボット「Koala II」の販売を2011年6月1日よりそれぞれ、32万円(税別)~、7万5000円(税別)~、84万円(税別)~で、受注を開始した。
KheperaIIIは、直径130mmのボディに、10個の赤外線センサ、4個の超音波センサを搭載。差動二輪を採用し、交換可能なバッテリによる長時間駆動を実現しており、MATLAB、LabVIEW、C言語などの開発環境/言語による遠隔操作が可能となっている。オプションの拡張ボード「Korebot」を搭載することで、Khepera上でアプリケーションの開発・実行も可能なほか、グリッパやカメラなどのオプションモジュールも用意されており、軌道計画・ナビゲーション、群ロボット、人工知能、マルチエージェントシステム、リアルタイムプログラミングなどの実験に使用することができる。
K-Junior は、KheperaやKoalaで蓄積された技術をもとに開発されたエントリーモデルの移動ロボットで、直径125mm、高さ40mmとコンパクトなサイズながら、軌道計画、障害物回避、人工知能などの分野で構築されたアルゴリズムを手軽に検証することができる。
そしてKoala IIは実環境での各種アプリケーションの実験のためにデザインされた中型の移動ロボットで、約30cm×30cmのボディで約3kgまで搭載することが可能なことに加え、6輪の車輪により屋外での実験も可能となっている。また、Kheperaと同様に、標準的なC言語環境、LabVIEW、MATLABなどでアプリケーションを開発することが可能となっている。