米デル日本アジア太平洋地域 インテリジェントデータ管理 ディレクター エイドリアン・ジョンソン氏

デルは5月31日、同社の仮想化ストレージ戦略に関する記者説明会を開催し、仮想化ストレージアーキテクチャ「Dell Fluid Data」を紹介した。説明会には、ヴイエムウェア代表取締役社長の三木泰雄氏も同席し、デルとヴイエムウェアの提携について説明を行った。

米デル 日本アジア太平洋地域 インテリジェントデータ管理 ディレクターのエイドリアン・ジョンソン氏は、「われわれはストレージの戦略として、『インテリジェントデータ管理』を打ち出しているが、それを実現するアーキテクチャが『Dell Fluid Data』だ。インテリジェントデータ管理戦略によって、ストレージに要する複雑性を提言し、コストを削減することが可能になる」と説明した。

続けてジョンソン氏は、「Dell Fluid Dataとは、適切なデータを適切なストレージに適正なコストで管理するためのアーキテクチャ。現在ストレージに保存されているデータのうち、70%はアクセスが少ない『静的データ』となっているが、すべてのデータをSANやNASといった1次ストレージに保存するのは非効率」とした。

インテリジェントデータ管理を実現するDell Fluid Dataアーキテクチャ

デル 執行役員兼エンタープライズ・ソリューションズ・グループ コンピューティング&ネットワーキングAPJ統括本部長 町田栄作氏

Dell Fluid Dataアーキテクチャの詳細については、デル執行役員兼エンタープライズ・ソリューションズ・グループ コンピューティング&ネットワーキングAPJ統括本部長の町田栄作氏が説明を行った。

町田氏は初めに、「Dell Fluid Dataアーキクテチャの発表は、戦略に基づく筋の通ったストレージソリューションを打ち出したという意義がある」と語った。

「Fluidには、『1つのところにとどまらない』という意味がある。われわれは、統合、自動化、弾力性というキーワードの下、データの性質に応じた管理を実現していく。Fluid Dataアーキクテチャでは、『スケーラブルなファイルシステム』、『重複排除』、『データ圧縮』、『仮想化』」という4つのテクノロジーがカギとなる」と、町田氏は同社の「Fluid Data」に対する意気込みを示した。

Fluid Dataアーキクテチャは、これまで同社が買収したEqualLogic、Exanet、Ocarina Networks、Compellentという企業の製品が基盤となる。Fluid Dataアーキクテチャに基づく製品は、「ストレージの仮想化と統合」「アプリケーションの統合と最適化」「高度なデータ保護とリカバリ」「データの階層化/アーカイブ/コンプライアンス」「分散型企業の実現」といったユーザーの課題を解決する。

Dell Fluid Dataアーキテクチャのサイクル

Dell Fluid Dataアーキテクチャの基盤となる技術

さらに同氏は、Dell Fluid Dataアーキテクチャを実現するソリューションが、テクノロジーパートナー、仮想化ストレージプラットフォームを基盤としていると説明した。

ヴイエムウェア 代表取締役社長 三木泰雄氏

同社の有力なパートナーでであるヴイエムウェア 代表取締役社長の三木泰雄氏も説明を行った。デルとヴイエムウェアは戦略パートナーとして、「仮想化による省エネ対策」「効率的な災害対策ソリューション」「事業継続計画における在宅勤務の支援」などによって、社会に貢献している。

三木氏は、「デルはヴイエムウェアにとって、世界ナンバーワンのOEMパートナーであり、VMware認証サーバ、ストレージソリューションの認証の数もOEMの中で一番。また、vSphereを使ってプライベートクラウドを構築しているユーザーでもある」と述べた。

両社によるインテグレーションの価値としては、「vCenterによってデル製品の管理も可能な点」、「vStorage API for Integration(VAAI)」、「災害対策」が挙げられた。vCenter Site Recovery Managerと対応ストレージを組み合わせることで、仮想化を生かした資源とコストの効率が良い災害対策が実現されるという。