Analog Devices(ADI)は、米マサチューセッツ工科大学(MIT)と協力して次世代の患者モニター装置に向けた技術の研究開発に取り組んでいくことを発表した。
米国の保健福祉省の内庁であるCenters for Medicare and Medicaid Services(CMS)によると、米国では、2009年度の医療費の総額2.5兆ドルのうち、50%以上が入院治療および医者の臨床によるもので、家庭で患者モニター装置が使えるようになれば、入院期間を短縮し、定期的な健診のための往診の回数を減らし、医療費を削減できるものと期待されている。
今回の共同開発は、MITが新設する医療電子デバイス実現センター(Medical Electronic Device Realization Center: MEDRC)を拠点に、ADIの技術者とMITの研究者が、心拍数、血圧、血液酸素化、そして呼吸数などの生体信号を患者が自宅にいながらにしてモニターできるようにする携帯医用機器向けの技術の開発に向けた連携を行おうというもの。
MITの教授でMEDRCの共同設立者であるCharles Sodini博士は、「家庭での患者ケアが可能になることで、在宅医療には大きな変化がもたらされる。従来の病院、医院から家庭へというシフトを実現するには、革新的な医療装置が不可欠であり、世界中の患者の生活を改善するために、MITとADIが共同研究では連続的な生体信号モニターシステムに必要となる技術を医用機器メーカーに提供することを目指して研究開発を行っていく」とコメントしている。