Texas Instruments(TI)は、ハイブリッド自動車(HEV)および電気自動車(EV)、電動工具、無停電電源(UPS)などの各種アプリケーション向けに、リチウムイオン・バッテリーパックの寿命延長および、利用可能なエネルギーの向上を可能とするバッテリー・マネジメントIC「bq76PL536」を発表した。すでに64ピンHTQFPパッケージで供給中で、1,000個受注時の単価(参考価格)は4.30ドル、動作温度範囲を-40~+105℃まで拡張した「bq76PL536-Q1」が5.05ドルとなっている。
同製品は複数のデバイスをスタック接続可能で、バッテリー残量計測、各バッテリー・セルのバランスおよび保護の各機能を提供しており、個々のセル電圧の計測機能のための複数のA/Dコンバータ(ADC)、過熱保護、セルのバランスおよび、絶縁されたチップ間通信機能などを集積している。
新型のリチウム系バッテリーの電気化学反応のサポートに必要とされる±1mV(代表値)以内の電圧計測精度を実現しており、残容量やセルのバランス効率およびシステムの安全などに必要なバッテリー残量計測の精度を向上させることが可能となっている。
また、過電圧、電圧低下および過熱などの状態への2次レベルの保護機能も内蔵しているため、外付け部品のコストなしで、安全性を向上させることが可能なほか、複数のbq76PL536をスタック接続することで、デバイス間の絶縁用部品の追加なしで最高192個のバッテリー・セルをモニタすることが可能となっている。
さらに、バッテリー・セルのバランス・ドライバは、充電および容量のバランス状態を確保することで、バッテリーパックで利用可能な容量の向上および、寿命の延長を実現しており、過電圧、電圧低下および過熱などの状態への、完全な2次レベルの保護機能により安全なスレッシュホールドを超えると、通常の通信チャネルとは別に、独立したフォールト出力およびアラート出力を設定することも可能となっている。