ロームは、デジタルカメラ、携帯電話/スマートフォン、MIDなどモバイル機器およびカーナビ、プリンタなどの入力インタフェースとして市場が拡大しているタッチパネル向けに、高速・低電圧動作の抵抗膜タッチスクリーン用コントローラLSI「BU21023MUV」「BU21023GUL」「BU21024FV」の3製品を発表した。3製品ともにすでに月産500万個で量産を開始しており、サンプル価格は500円、今後、最大月産1000万個まで増産する予定としている。

3製品は、タッチスクリーンの約75%を占める抵抗膜式のコントローラ向けに、従来は難しかった2点タッチを可能にしたもので、これによりピンチ、スプレッド、ローテーションなど従来は高価な静電容量方式を用いていたアプリケーションに使うことが可能になった。

抵抗膜方式は、ペンを使う用途や、ボタン選択を行うなどの用途に多く使われているが、理論上1点検出しかできないとされており、複雑なタッチ機能を実現する為には複数点の検知が可能となる高価な静電容量方式のタッチパネルが使われており、タッチパネル搭載機器の拡大の障害の1つとなっていた。

3製品は、専用のアナログ回路に加えCPUを内蔵したほか、従来の4線抵抗膜をそのまま使用し、2点タッチの座標、ジェスチャ検出を実現。検知座標の高精度化だけでなくキャリブレーション機能によるタッチパネルの量産バラつきの影響を抑えたり、誤動作のフィルタリング機能などの内蔵により、これまで難しかった4線抵抗膜方式での2点検知の機能の量産を可能にした。

スクリーン制御機能の比較

また、抵抗膜方式のため、静電容量方式では困難な爪での操作や手袋を装着しての操作も可能となっている。

なお、同社では、抵抗膜方式だけでなく静電容量方式のタッチパネルコントローラもラインアップしており、今後も、様々な方式のタッチパネルコントローラLSIのラインアップ拡充に取り組んでいくとしている。