Intersilは、民生機器を対象としたパワーマネージメントICのラインアップ拡充の一環として、小型パワーマネージメントIC「ISL9305」および「ISL9305H」を発表した。2製品ともに4mm×4mm 16ピンTQFNパッケージで供給され、すでに量産受注を開始。1,000個受注時の単価はそれぞれ2.10ドルおよび2.20ドルとなっている。

小型パワーマネージメントIC「ISL9305Hおよび「ISL9305」のパッケージイメージ

2製品は、800mA出力(ISL9305)または1500mA出力(ISL9305H)の同期降圧レギュレータ2系統と、300mA出力の低ドロップアウト(LDO)リニアレギュレータ2系統を、1パッケージに封止したパワーマネージメントIC。

PWMのスイッチング周波数は3MHzであることから、小型の外付け部品が使えるため、回路面積の削減が可能となる。オーディオ回路やRF回路などノイズに敏感な回路にも適用できるように、出力リップルを低減し変動幅の少ない電圧レギュレーションを実現しているため、レギュレータの入出力にそれぞれ必要となるフィルタの要件は、一般のレギュレータに比べて緩やかとなっている。

また、電源の変換効率を高め、モバイル機器のバッテリ動作時間を長くできるように、最適な動作モードをI2Cインタフェースを介してプログラムできるようになっている。設定可能な動作モードとしては、ノイズに敏感なアプリケーションを対象に負荷電流の大きさにかかわらず常にPWMで動作する「強制PWMモード」や、オーディオ回路に妨害を与える可聴ノイズを防ぐ「超音波PFMモード」が用意されている。

入力電圧範囲は1.5Vから5.5Vで、内蔵の降圧レギュレータ出力か、バッテリ出力を含む一般的な電源電圧系統から電源を供給することができる。LDOのデフォルト出力電圧は0.9Vから3.6Vの範囲で、デフォルトの出力電圧は工場出荷時にプリセットされ、100mVステップでの受注に対応しているほか、I2Cインタフェースを使って50mVステップで出力電圧を設定することも可能だ。

さらに、内蔵されている2系統のスイッチングレギュレータの出力電圧範囲はそれぞれ0.825Vから3.6Vで、I2Cインタフェースを介して25mVステップで設定することができるほか、I2Cインタフェースによる各種Mモード設定に加え、2系統のスイッチングレギュレータ間の位相制御と、各出力のアクティブ放電も設定可能となっている。