Texas Instruments(TI)は、核磁気共鳴画像(MRI)をはじめとした医療用画像診断装置向けに、4チャネル内蔵、100MSPSの16ビット A/Dコンバータ(ADC)「ADS5263」を発表した。同製品は2種類の9mm角のQFNパッケージ・オプションですでに供給が開始されており、高分解能、高速の医療用および工業用アプリケーション向けの通常パッケージ製品は、1,000個受注時の単価(参考価格)が236.50ドル。MRI装置などの強磁界内での使用向けの非磁性パッケージ・オプションは、同385.50ドルとなっている。

TIの16ビット A/Dコンバータ「ADS5263」とその活用イメージ

同製品は、14ビットおよび16ビットの分解能モードを提供することから、低消費電力と高速、高分解能の動作を切換可能であり、16ビット・モードでは、10MHz入力、サンプリングレート100MSPSの場合で84.6dBFSのSNRおよび380mW/チャネルの消費電力、4Vppのフルスケール入力を実現している。

一方の低消費電力の14ビットモードでは、10MHz入力、サンプリングレート100MSPSの場合に73dBFSのSNR 195mW/チャネルの消費電力、2Vppのフルスケール入力を実現している。

さらに、9mm角のQFNパッケージに4チャネルのアーキテクチャを内蔵しているため、既存の1チャネルまたは2チャネル内蔵製品と比較して、基板実装面積を50%縮小することが可能となっている。