富士通セミコンダクター(FSL)は、多様なニーズに対応する車載マイコンとして、16ビットマイコン「MB96600シリーズ」および32ビットマイコン「MB91520シリーズ」の2シリーズ合計113製品を発表した。すでに一部製品ではサンプル出荷を開始しており、2シリーズ合計で2014年度には2500万個の販売を目指す。

MB96F675RAのパッケージ写真

MB91F526Kのパッケージ写真

MB96600シリーズは、48~144ピンのパッケージ群、32KB~384KBのフラッシュメモリ群の組み合わせにより計53製品を用意。一方のMB91520シリーズは、64~176ピンのパッケージ群、256KB~1MBのフラッシュメモリ群の組み合わせによる60製品を用意しており、2010年に発表し、すでに出荷を開始している「FR81S MB91570/MB91580/MB91590シリーズ」と合わせることで、ボディ系、ダッシュボード系、セーフティ系、インフォテイメント系、パワートレイン系などすべての自動車アプリケーションに対応することが可能となった。

また、ソフトウェア開発の効率化に貢献するため、AUTOSAR仕様に準拠したMCAL(Micro Controller Abstraction Layer)を順次提供する予定。MB96600シリーズは、HIS(Hersteller Initiative Software)推奨仕様に準拠しつつ、メモリサイズと性能を最適化したスケーラブルな「AUTOSAR R3.0/3.1」、MB91520シリーズは、「AUTOSAR R3.1/R4.0」に対応しているほか、16ビット/32ビットマイコン共通でJPwire対応のエミュレータ「MB2100-01-E」を使用することで、シームレスな開発を行うことが可能となっている。

さらに、プログラム用フラッシュメモリとは別にデータ用フラッシュメモリを搭載しており、外部EEPROMを削減でき、システム開発の効率化が可能となる。加えて、周辺部品の削減として、外部リセット用ICが削減できる低電圧検出、CR発振回路、ハードウェア・ウォッチドッグ回路の搭載や、ソフトウェア設定によりI/Oポートの配置を変更できるI/Oリロケーション機能を標準搭載している。

FSLの自動車向けマイコンラインナップ