日本オラクルは5月27日、サーバ、ストレージ製品における節電・省エネの取り組みに関する説明会を開催した。同社は、節電に関するソリューションを提供しており、同社がサービスを提供した企業の中には年間1,600万円のコスト削減を実現しているという。
執行役員システム事業統括 システム営業統括本部長の野々上仁氏は、「当社では電力削減へのロードマップとして、『既存データセンターの節電』『デスクトップ環境の見直し』『高密度統合による効率化』という3つのステップを考えている。オフィス環境では、デスクトップ環境の電力の占める割合が高い」と説明した。
同社はこのロードマップにのっとり、サーバの電力制御、ストレージの階層化、デスクトップの仮想化とシンクライアント化、高性能マシンへの統合、データセンターの冷却効率の向上を提案していく。
システム事業統括ソリューション統括本部プロダクト&パートナーソリューション本部マスター・プリンシパル・セールスコンサルタントの大曽根明氏は、機器を購入せずにできる節電対策として、Oracle Enterprise Manager Ops Centerを活用したサーバ電力の設定管理を紹介した。「Ops Centerでは、SPARC搭載サーバとx86サーバの双方に対し、必要な時だけ必要なだけ電力を使うように設定することができる。さらに、消費電力の上限も設定が可能」
もっと効果が上がる対策としては、省エネ製品への統合が紹介された。例えば、処理速度1.6GHzのCPU「UltraSPARC IIIi」を4個搭載するSun Fire V440台をSPARC Enterprise T3-2に集約することで、89%の電力を削減できるという。
ストレージについては、「データの用途に応じて、フラッシュディスク、ハードディスク、テープストレージを使い分けることで、電力を抑えることが可能になる」と、同氏は述べた。「テープストレージは古い技術と思われるかもしれないが、われわれは最先端の技術を持っている。当社のテープストレージは1つのテープで5TBのデータを格納することが可能だ」
同社の試算によると、ディスクからディスクへのデータバックアップに比べ、ディスクからテープへのデータバックアップは年間98.9%の電力削減効果があるとのことだ。
さらに同氏は、データセンターの節電対策に関するソリューションを紹介した。同社では、「現状把握/モニタリング」「評価/分析」「節電対策の実行」「効果測定」というフェーズから構成されるソリューションを提供している。
データセンターの節電対策は、アセスメントに約1ヵ月、実施に約2ヵ月かかるが、「確実に効果は出る」と、同氏はその効果の高さをアピールした。野々上氏も、「アセスメントに1ヵ月ほどかかるが、その結果が出たらすぐに空調を止めたりなど、できることから手をつけていくことで、長期間かけなくてもデータセンターの節電を実現できる」と話した。
野々上氏は、「最近、バックアップはディスクからディスクに行うのがトレンドとされているが、テープと比べるとハードディスクは電力を使う。フラッシュ、ハードディスク、テープを使い分けて、ストレージの階層化を図れば、電力削減の効果は高い」と、ストレージ階層化のメリットをアピールした。