Taiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)は、同社の設計インフラである「Open Innovation Platform(OIP)」の28nmプロセス対応デザイン インフラストラクチャが完成したことを発表した。
同プロセスを採用した28nmデザイン エコシステムはすでに利用可能となっており、現在までにテープアウトは89件予定されているという。
DRC、LVS、PDKなどの基本的なデザインキットに加え、基盤IP(スタンダードセル)、スタンダードI/Oやメモリ コンパイラを含むライブラリ、さらにはUSB、 PCI、DDR/LPDDRなどの業界標準インタフェースIPから構成されており、カスタマは同社のWebサイト上から、これらをダウンロードすることができる。
また、設計品質の向上に不可欠なツールの一貫性を維持するため、EDAコミュニティの各社とのコラボレーションも完了したという。
OIPの中核は「Reference Flow 12.0」および「AMS(Analog/MixedSignal)リファレンス・フロー 2.0」で、Reference Flow 12.0における機能拡張は以下の通り。
- シリコンインターポーザおよびSi貫通電極(TSV)技術を使用した2.5D/3D-IC
- 28nmモデルベースシミュレーションにおけるDFM検証の高速化
- TSMCプロセスに即したPPA(Power、Performance および Area)モデルをシステムレベル設計で使用可能とする高度なElectronic System Level(ESL)設計イニチアチブ
また、OIPの20nm設計対応のため現在構築中の、TSMC 20nmトランスペアレント・ダブルパターニング設計ソリューションも公開される。
一方のAMS 2.0は、複雑化の一途をたどる28nmプロセス特性、およびさらに高度なDFMおよびRDR(Restricted Design Rules)へのチャレンジに対し、高い信頼性をもって対応するためのマルチパートナー対応先端アナログ/ミクスドシグナル設計フロー。
28nmにおけるカスタム設計において、DFMおよびRDRへの確実な対応を容易にするもので、これはTSMCのPDKおよびDFMツールを使用する際の正しいコンフィギュレーションおよびオプションの設定を示すものであると同社では説明している。
加えて、同社はRF設計者向けに、新しいRFリファレンスデザインキット(RF RDK 3.0)の提供を発表した。RDK 3.0は検証済みの60GHzミリ波デザインキット、またEM(電磁界)シミュレーションにより設計者が独自のインダクタを設計するための方法が提供されるという。