みずほフィナンシャルグループは5月23日、東日本大震災に起因する大規模システム障害を起こしたことを踏まえ、再発防止策を発表した。
同社が発表した文書「『信頼回復』に向けた取り組みについて」に明記されている再発防止策の主な内容は以下の通り。
-
グループガバナンスの強化
みずほフィナンシャルグループのCEOを「グループCEO」として明確に位置付けるほか、取締役会諮問機関の独立性を保つため、社外構成員を過半数とする体制に変更する。また、みずほフィナンシャルグループ、みずほ銀行、みずほコーポレート銀行にそれぞれ担当役員を配置する体制を見直し、原則としてみずほフィナンシャルグループ役員がみずほ銀行、みずほコーポレート銀行の担当役員を兼務する。IT・システム部門についてもみずほフィナンシャルグループ役員がITガバナンスや次期システムを担当。みずほ銀行とみずほコーポレート銀行の担当役員は、システムの安定稼働とリスク管理を担当する。
-
人事の完全一本化
みずほフィナンシャルグループの人事担当役員がみずほ銀行とみずほコーポレート銀行の人事担当役員を兼務。人事担当役員と人事部はみずほフィナンシャルグループにのみ配置し、人事ラインを完全に一本化する。
-
業務インフラの一元化
次期システム構築までの間、みずほ銀行やみずほコーポレート銀行、みずほ信託銀行の銀行業務に関する事務を2012年度末をメドに一元化する。また、これら3行間での業務フローやATMの共通化などを図る。次期システムでは、3行の勘定系システムの完全一元化を実現する。2012年度末をメドに業務共通基盤を完成させ、2015年度末を目標として預金や為替、融資、外為、信託など向けのシステムを稼働開始。これに伴い基幹情報系システムも稼働させる。
みずほフィナンシャルグループはこのような施策を通じて「実質的に"ワンバンク"に移行する」としており、今後は「経営インフラ改革と意識改革の両面から〈みずほ〉を再生させ、信頼回復に向けてグループ役職員一丸となって取り組む」というコメントを発表している。