NXP Semiconductorsは、同社の低消費電力、高効率照明用ドライバIC「GrennChip」を活用したスマートライティングソリューションを発表した。また、「Internet of Things」(モノのインターネット)というビジョンの実現に向けた動きの一環として、低消費電力なIEEE 802.15.4ベースの無線接続ネットワーク層ソフトウェア「JenNet-IP」をオープンソース・ライセンスで提供することを発表した。
GreenChipスマートライティング・ソリューションにはコンパクトな蛍光灯用チップセット「GreenChip iCFL」とLED用チップセット「GreenChip iSSL」の2つのバージョンが用意されており、10mW無負荷機能付きの低消費待機電力対応電源コントローラやIEEE 802.15.4標準対応の2.4GHz無線マイコン、JenNet-IPネットワーク層ソフトウェアによる低消費電力、IPベースの無線接続といったコンポーネントが含まれている。
JenNet-IPは、ネットワーク・プロトコルスタック「JenNet」をベースとして6LoWPANを拡張したネットワーク層ソフトウェアで、特に一般住宅や産業アプリケーション向けのIEEE 802.15.4をベースとする低消費電力ネットワークをターゲットとしており、NXPの低消費電力無線マイコンモジュール「JN5148」上で動作する。最大500機器で構成された大規模ネットワークまでをサポートでき、インターネット接続の有無に関係なく機能するほか、低消費電力、長いRFレンジ、128KB未満のメモリ・フットプリント、低いTCO(総保有コスト)などの特長がある。
JenNet-IPソフトウェアのソースコードのリリースに加え、NXPはロードマップで主要パートナー各社と連携を進め、アプリケーション開発者からのニーズを探るほか、厳格なテストを実施する互換性ラボの設立を支援するとしている。同ラボでは、リリースされるすべてのソフトウェアがスマートデバイスのネットワークに不可欠な安定したパフォーマンス、セキュリティ、使いやすい環境を提供できるようにする予定としている。
GreenChipと同IPを組み合わせることで、必要な電子機器のサイズ、コスト、消費電力を日常的に使用している電球に適したレベルにまで削減することが可能になるほか、無線IPの接続性、高い電力効率、50mWの待機電力などを実現し、無線を活用した電源管理ソリューションの1部として活用することも可能となる。
すでに同ソリューションを活用したリファレンスデザインの提供は開始されているほか、JenNet-IPソフトウェアも先行導入の形で一部のカスタマで活用されており、NXPでは今後数カ月以内に一連の認定メンバーとオープンソース・コンソーシアムを設立し、JenNet-IPのソフトウェア・プロトコルスタックを提供する予定としており、最初のOpen Sourceリリースは2011年第4四半期に提供を開始することを計画している。