VMwareは5月18日、SaaSの利用/管理作業を簡略化する新サービス「VMware Horizon App Manager」を発表した。Horizon App Managerは、昨年9月のVMworld 2010の中で発表された「Project Horizon」の中核機能をサービス化したもの。現在は、米国にてEarly Access Programとして試験的に提供されている。

Horizon App Managerの特徴は、Active Directoryなどのディレクトリサービスと連携させて各種のSaaSを運用できる点にある。シングルサインオンが可能で、各SaaSに個別にログインする必要がなくなるうえ、OAuthなどをサポートしており、アクセス権限等をSaaSに引き継ぐこともできる。

Horizon App Managerでは、管理コンソールとユーザー向けのアプリケーションポータルが用意されている。管理コンソールには、ユーザー管理機能やSaaSの設定機能などが搭載されており、管理者はサービス一覧の中から目的のSaaSを選択し、ユーザー/グループの権限等を設定するだけで利用を開始することが可能。レポート機能も提供されており、各サービスの利用状況も表示される。

一方、ユーザー向けのポータル画面は、各ユーザーが利用できるSaaSが一覧表示されるシンプルな作りになっている。各サービスはアイコンをクリックするだけで利用を開始できる。いちいちIDやパスワードを入力する必要がないうえ、ハードウェアやWebブラウザを変更しても迷うことなく利用できる。

ログイン画面

ユーザー向けの画面。利用可能なアプリケーションの一覧が表示されている

管理者向けの画面。アプリケーションのタブには、利用可能なアプリケーションの一覧が表示されている

アプリケーションの詳細を設定する画面

また、社内のディレクトリサービスとの連携は、オンプレミスに配備するバーチャルアプライアンスが担う。細かい同期処理などを一括して請け負うため、導入時も煩雑な設定作業は不要になるという。

現在、米国で提供中のEarly Access Programは、「1ユーザーあたり30ドル」(米VMware APACプロダクトラインマネジャーのDavid Wakeman氏)という料金体系で提供中。「管理対象のSaaSの数については無制限」(同氏)となっている。米国以外での提供準備も進めており、日本向けにも「今年中のリリースを目指している」(同氏)という。