STMicroelectronics、先進的センサ・アプリケーション向けに、10種類の検知項目(degrees of freedom:DoF。3軸の直線加速度、3軸の角速度、3軸の地磁気および1軸の高度)を備えたハードウェア・ソリューションを発表した。3個のMEMSセンサにより、加速度・角速度・磁気の動きに対し包括的な情報を提供し、携帯電話および携帯型コンシューマ機器などのナビゲーション機能やユーザ・インタフェースの強化が可能となると同社では説明している。
また、併せてスマート・コンシューマ機器における複合モーション・センサのデータ融合を容易にするため、3軸加速度センサ、ジャイロ・センサおよび地磁気センサからの出力を統合するフィルタリング・予測ソフトウェアも発表した。同ソフトを用いて、これらセンサからの出力データが先進的なアルゴリズムを通して補正することが可能となる。
同10-DoFセンサ・ソリューションは、高分解能の加速度・磁気モーションの各3軸検知を1パッケージ(3mm×5mm×1mm)に統合し、動作時消費電流110μAを実現し、最大±16g(直線加速度)および±8ガウス(磁場)のフルスケールにわたり正確な出力を提供すると共に、時間・温度に対する安定性を示す地磁気センサ・モジュール「LSM303DLHC」。4mm×4mm×1mmの小型パッケージに実装され、16bitのデータ出力と、ユーザ設定可能な±250dps~±2,000dpsのフルスケールを提供する3軸デジタル・ジャイロ・センサ「L3G4200D」。そして、同社が近々発表する予定の圧力センサにより構成される。同圧力センサは、3mm×3mm×1mmの小型パッケージに実装され、高分解能の気圧測定値を実現するもので、動作圧力範囲は海抜-700~+10,000mの大気圧に相当する260~1,260mbar(hPa)で、0.3mの高度変化を検知することが可能となっている。
なお、現在、10-DoFセンサ・ソリューションは評価用として入手可能で、量産は2011年第3四半期末に開始する予定。3種類のMEMSセンサを搭載した場合の単価は、大量購入時で約5.90ドルとしている。