Texas Instruments(TI)は、同社のマルチコアDSP「TMS320C66x」世代の製品「TMS320C6671」を発表した。また、併せて無線向けSoC「TMS320C6670」の機能強化も発表した。

同社のマルチコア・アーキテクチャ「KeyStone」をベースにしたC6671は、固定小数点および浮動小数点の1コア・デバイス。動作周波数は1.25GHzで、マルチコア・デバイスの専門知識のない設計者に、マルチコア・デバイスをより親しみやすくする戦略的な設計アプローチを提供している。

このため、同製品を使用することで、マルチコア・デバイスが自分たちのニーズに適合するかどうかを検証することが可能となるほか、将来、より高い性能が必要となった場合に、同社のC66xポートフォリオのその他のプロセッサへ移行する選択肢を調査することも可能となる。

一方のCC6670は、既存の通信アプリケーション向けSoCソリューションと比較して、消費電力/性能を2倍に向上したものでソフトウェア無線(SDR)、公共安全および、新生のブロードバンド無線システムをはじめとする各種の通信アプリケーション向けにアクセラレータ性能を向上させた、1.2GHz動作の4コア・デバイス。

機能強化としては、LTE、WCDMA、TD-SCDMAおよびWiMAX向けのフィジカル・レイヤを高速化する、複数標準対応の新型ビット・レート・コプロセッサ(BCP)、その他のコプロセッサがあり、システムの能力および性能を低いレイテンシで向上している。また、良好にバランスしたプログラマブルのCPUコア群および設定可能なアクセラレータ群が、簡素化したプログラミング・モデルによるソフトウェア無線機能を実現できるとしている。

なお、C6671の1,000個受注時の単価は、79ドル(参考価格)となっており、各DSPを搭載する製品の設計向け評価モジュール(EVM)としては「TMDXEVM6670L」および「TMDXEVM6678L」がそれぞれ399ドル(参考価格)で提供されている。