オブジェットジオメトリーズは、日本市場向けにABS産業用プラスチックをシミュレーションすることを目的に作られた「Objet ABSライクデジタルマテリアル」、純透明材料の「Objet VeroClear」の新材料の提供と、Objet Veroシリーズ材料の「Objet VeroWhitePlus」の対応機種を新たに追加することを発表した。
これにより、Objetの3Dプリンターで利用できる材料は、51種類のデジタルマテリアル(複合材料)を含む65種類になったという。
3Dプリンタは、立体的な試作品を作成できるプリンタ。ユーザーは、不透明、軟質、硬質、耐熱、強靭という、それぞれの特性を持つ多様な材料を利用して、製品に近いプロトタイプを作成することができる。
オブジェット ジオメトリーズ 日本担当リージョナルマネージャー殿岡敬久氏によれば、これまでは、自動車、家電、工業機械系での利用が多かったが、最近では、大学や高等学校などの教育系のほか、医療系の利用が増えているという。医療系では、骨、歯型、補聴器などに利用されているという。
同社では、2つの材料を混合し、それぞれの特性を活かした複合材料を作ることができるPolyJet Matrixという技術も持っている。
「Objet ABSライクデジタルマテリアル」は、優れた耐衝撃性(65-80J/m)と高耐熱性(摂氏65度、熱処理後は摂氏90度)を備えた材料で、スナップフィット部、耐久性が必要な可動部、落下試験が必要な製品など、ABSレベルの産業用プラスチック製品の機能をシミュレーションするメーカーやエンジニアに最適の材料だという。
純透明材料の「Objet VeroClear」は、光学的かつ視覚的な透明性に加えて、優れた 寸法安定性を実現しており、デザイナーは、照明ケース、レンズ、化粧品の容器などのガラスに近い用途で、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)などの透明な熱可塑性物質の視覚的シミュレーションに使用できるという。
Objet ABSライク材料のRGD5160-DMは、Objet Connex500複合材料噴射3Dプリンタで、Objet VeroClearは、Objet ConnexおよびObjet EdenVで利用できる。
また、今年の7~9月には、優れた耐熱性(摂氏65度、熱処理後は摂氏85度)と寸法安定性があるObjet耐熱材料「RGD525」を発売する予定だという。
「Objet VeroWhitePlus」の対応機種では、新たに「Objet Edenシリーズ」、「Objet Connexシリーズ」で利用できるようになった。