村田製作所は、車載電子機器向けの金属端子付き積層セラミックコンデンサ「KCM」シリーズを発表した。

ECUのDC/DCコンバータなどへの適用が見込られるという

近年の地球環境問題・エネルギー問題への関心の高まりから、自動車市場においては、ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)の実用化が推進されているが、HEVやEVに搭載される車載電子機器では、特に大型サイズの積層セラミックコンデンサ(MLCC)の場合、激しい温度変化による基板の膨張伸縮の応力を受けやすく、長時間の熱衝撃にさらされる条件下では、はんだクラックへの対策が必要不可欠となっていた。

また、振動や機械的衝撃によって発生するコンデンサ素体クラックへの対策も必要となり、汎用製品よりも高い信頼性が求められており、同社では、弾性作用を持つ金属端子を付けることで、コンデンサ素体への衝撃を軽減した同シリーズを開発した。

熱ストレスによるはんだクラックの抑制(試験温度:-55~+125℃、放置時間:各5分、使用基板:ガラスエポキシ基板、FR-4)

これにより、金属端子の弾性作用により、熱および機械的衝撃による応力を緩和し、高信頼性を実現したほか、2個のコンデンサを積み重ねたことで、実装スペースを削減するとともに高容量化を実現した。

基板たわみによるストレスを軽減

なお、同製品は2011年7月より量産出荷を開始する予定としている。